2020年6月1日月曜日

タイムスリップ

昨日ふと、上京する前後くらいによく訪れていた
古道具屋さんのインスタを見返していた。

昨日は久しぶりに電車に乗って人に会って、
この二ヶ月ほとんど一人で暮らしていた生活から、
急に人と話す時間がやってきて
多分気持ちがブワッとなって、
両面の生活をちょっと離れたところから
俯瞰して見たんだと思う。
そしたら急にその間に落ちて見えなくなっていた、
今の生活につながる原点を思い返したのだ。

そして立ち返ったのがその古道具屋さん。
今はもうお店は閉じていて
“訪れる”ということはできないけれど
とても好きな場所だった。
場所は千駄木にあって、
マンションの一階にお店を開いていた。
千駄木駅から直接いくこともあったし、
根津からも谷中からもいくこともあった。


お店の軒先にはちょっとお手頃な小物や棚、
木箱なんかが置いてあってまずここで立ち止まる。
扉を開けると所狭しに並べられた
家具や雑貨がたくさんある。
食器棚の扉の向こうにも、
小さな小さな小物がある。


まだ埼玉からここを訪れていた私は、
東京に住むようになったら
絶対ここで家具を買おう。ひっそりと決めていた。


今も作業机と椅子はそのお店で買ったもの。
長細くて、分解ができる誰かが手作りした机。
背がU字にカーブしていて、
日本ぽいような北欧っぽいような
小さな肘掛がポツンと二つついている椅子。
お店のお姉さんが、
初めての一人暮らしの部屋まで配達してくれて、
ここがねこうなってね、と
床に座り込みながら説明してくれる姿を
今でも覚えている。

あそこで買ったものは
そのあとも少し増えたけれども
できたら最後までこの机と椅子は
一緒に歩んで行きたいなと思っている。

お姉さんは、お店はやめたけれど
古道具屋は続けている。
決まった場所に行けば必ず会えるということは
できなくなったけど、私はいろんなものをもらったなと
一方的に感謝が尽きないのだ。

誰にも言わないけど、
言い表せられないけど、
大事なこと。

目の前にあるものに飾り付けをするんじゃなく、
思ったままにそこに出してみること。
大事だったはず。
何だかちょっと
見栄っ張りになってしまった自分に戒めの言葉。



ネグ子さんは元気だろうか。
また会いたいな。
私は今でも千駄木のあの路地に、
古道具Neglaにタイムスリップできる。




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